大リーグ ベーブルースと大谷翔平選手
大リーグ アメリカンリーグ・エンゼルスの投打の二刀流 大谷翔平選手が今年も大きな記録を打ち立てました。野球の神様と呼ばれたベーブルースが達成した、同一シーズン投手で10勝 ホームラン10本を、2022年8月9日(日本時間10日)に達成しました。ベーブルースの記録は1918年に当時所属していたボストンレッドソックスで、投手としては20試合の登板で13勝(7敗)、ホームランは11本でした。当時のボールはあまり飛ばないボールであったために11本でもホームラン王になっています。
大リーグでは、この年のベーブルースを最後に、2桁勝利と2桁本塁打を同一シーズンに記録した選手は出ていませんでした。もともとベーブルースは1914年にレッドソックスで投手としてデビューしています。その後レッドソックスでは打力を生かすため、1918年にはレフトやファースト、センターでも起用されたので、大リーグでの元祖二刀流として知られています。1919年もホームラン29本で2年連続の本塁打王に輝きましたが、投手としての力は下り坂だったとされ、ヤンキースに移籍した20年以降は事実上 野手に専念しています。この移籍はレッドソックスにとっては、「失敗トレード」となり、長くワールドシリーズを勝てないジンクスが生まれ、これが「バンビーノの呪い」=「ベーブルースの呪い」といわれて来ました。ボストンレッドソックスは1918年ベーブルースが在籍していた時にワールドチャンピオンになって以来、2004年までワールドチャンピオンになれないでいました。しかしこの呪いも2004年第100回を迎えたワールドシリーズで、86年ぶりにボストンレッドソックスは勝利し、その呪いから逃れることができました。
大谷翔平選手は今年も投打に大活躍していますが、エンゼルスの打撃陣が弱いために9勝を挙げてから、いいピッチングをしていても勝てないで足踏みをしていました。8月18日現在の大谷選手の投手としての成績の勝ち数は10勝でアメリカンリーグの第8位、防御率は2.69でまだ規定の投球回数には達していませんが、達しているとすれば第4位の成績です。奪三振は165個でリーグ第4位の成績です。打撃ではOPS部門(打者を評価する指標の1つ。出塁率と長打率を足し合わせた値で高いほど良い)0.875で6位、ホームランは27本でリーグ5位、打点は72打点でリーグ6位の成績です。昨年ほどホームランの数は多くは無いですが、投げることも打つことも、リーグでトップレベルの成績を今年も残しています。打率は2割6分5厘でリーグ28位とホームランや打点ほど目立った活躍はしていません。大谷選手はインタビューで、ポストシーズンのプレーオフを戦う強い球団でプレーをしたい旨を述べていました。エンゼルスは今年のプレーオフに進むことはほぼ不可能になり、大谷選手は2022年米東部時間2日午後6時のトレード期限を迎えましたが、移籍はありませんでした。2023年のシーズン終了後にはフリーエージェントの権利を有することになり、移籍を希望することができます。今後の大谷選手の移籍についても関心が持たれています。