来年の東京オリンピックのチケットと新型コロナウイルスに対するワクチン
新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月に1月から始まる東京オリンピックは、1年延期と発表されました。東京オリンピックの陸上のチケットが抽選に当選しており、私は男子100メートルの決勝のチケットをはじめ、女子100メートルの決勝戦。男子100メートルの予選、混合4×400メートルリレーの決勝のチケット、女子砲丸投げの決勝や男子走り高跳びの決勝のチケットなど3セッションを2枚ずつ、計6枚の陸上競技のチケットを入手しておりました。1年後に延期が決まった時には、そのチケットが無効になったのではと一時心配しておりましたが幸い、1年後もそのチケットは有効と発表され、ホッと胸をなで下ろしております。
ただ、8月3日現在新型コロナウイルスのダイヤというべき感染拡大がさらに起こっております。このままだと来年夏の東京オリンピックの開催が危ぶまれております。現在、有効な治療薬やワクチンがいまだ見つかっていないことから、このままだとオリンピックの開催は来年不可能だと考えます。ワクチンは世界各国で開発が進んでおりますが、まだまだ時間がかかりそうに思います。最も進んでるものの一つが、英国のアストラゼネカ社のワクチンが挙げられます。アストラゼネカ社は、乳癌治療の種々のホルモン剤や新規分子標的薬を作っている世界的な製薬会社です。私たち乳癌治療に携わる者としては身近に感じる会社なので、このワクチンの開発が進めばと思っております。
大阪大学の関係では、大阪大学発のベンチャー企業であるアンジェスが、大阪市や大阪府と共同して新型コロナウイルスに対するワクチンの開発を進めております。今までワクチンの作成に経験がないので、なかなか難しいのではと私自身は思っております。アンジェスは、フェーズⅠ/Ⅱ試験(主に安全性を見る臨床試験。有効性は関係ない)を大阪市大病院の医療従事者に対して行うとの発表はありました。医療関係者に対して、フェーズⅠ/Ⅱ試験のワクチンの治験投与を行うことは賛否両論あるようです。これは、ワクチンを投与することによって後にウイルスが入ってきたときに、抗体依存性感染増強と呼ばれる過剰反応が起こってかえって病状が悪化することがあるそうです。研修医など立場の弱い医療関係者だと、なかなか断りきれない場合もあるのではと心配します。
今までのシリーズのワクチン研究においては、ワクチンの開発には数年かかることが多いので、1年以内に新型コロナウイルスに対するワクチンの開発は歴史的には困難だと思われます。
しかし、新型コロナウイルスの感染を予防するのにはワクチンの開発が一番待たれるところです。1日でも早く安全で有効性のあるワクチンが開発されることを祈ります。