Genetic Counseling
Genetic Counseling
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)について
乳がんを発症した人の5~10%は、遺伝的に乳がんを発症しやすい体質をもっていると考えられています。がんは遺伝子の変異によって起こる病気ですが、大部分のがんは親から子に遺伝しません。それは大部分のがんは後天的な遺伝子の変化によるものだからです。この変化は環境要因と体質の要因に左右されます。しかしご両親や兄弟・姉妹・叔母・叔父・いとこなど家系内にがんにかかった方が複数いる場合に先天的な共通の遺伝子の変異(体質の要因)が強く関与していることがあります。この場合その遺伝子の変異は子供に受け継がれる可能性があります。こうした生まれながらにある遺伝子の変異が原因で起こるがんを遺伝性腫瘍といいます。その一つがHBOCです。
遺伝性乳がんを疑う背景
■45歳以下で乳がんと診断された。 | ■両方の乳房で乳がんと診断された。 |
■同側での複数の乳がんと診断された。 | ■乳がんと卵巣がんの診断を受けた。 |
■家系内に乳がんまたは卵巣がんと診断された方が複数いる。 | |
■家系内に男性で乳がんと診断された方がいる。 | |
■血縁者がすでにBRCA1.BRCA2の遺伝子検査を受けて変異が見つかっている。 |
遺伝カウンセリング
遺伝性乳がんの可能性が一般の方より高い場合に遺伝カウンセリングをお勧めします。
遺伝カウンセリングは、病気になった方だけでなく、ご家族も利用することができます。
遺伝カウンセリングの流れ
1.既往歴や家族歴を詳しく伺い、遺伝がかかわるかどうか評価をします。
2.遺伝性乳がん卵巣がん症候群、治療・予防対策の選択肢、遺伝子検査、遺伝子検査を受ける意義、遺伝子検査で分かること・分からないこと、遺伝子検査を受けることによる利益・不利益、病気が遺伝する可能性などについて説明します。
3.病気のこと、遺伝子検査のことをよく理解していただいた上でご自身やご家族にとって最良の選択ができるように支援します。
4.遺伝学的査を希望される場合は、事前に遺伝カウンセリングを受けていただく必要があり、原則初回面談の日には検査は行いません。検査料金などについては面談にて説明します。
5.遺伝カウンセリングを受けたあとも、遺伝子検査を受けた結果に応じて、また検査の受検の有無にかかわらず不安、相談があれば継続して対応します。
遺伝子検査は医療側が強制して受けていただくことはありません。
ご相談者あるいはそのご家族が、今後どのように対応していけばよいかをカウンセリングを通して
お考えいただいた上で、ご相談者自らの判断でお受けいただきます。
最近は遺伝子の変異を利用した薬の開発も進んでおり、遺伝性の乳がんが疑われる場合、遺伝子を検査して遺伝子の変異の有無を知ることで、早期発見・治療、治療方法の選択が可能になってきました。また家系の方の間で情報を共有することで家系の方の病気の早期発見・治療に役立てることが出来る可能性があります。
【検査方法】血液を2ml程度採血して検査をします。
カウンセリングの際には同居していない方も含め家系の方(両親、兄弟姉妹、祖父、祖母、叔父、叔母、子供、孫、いとこ)のがん(乳がんや卵巣がん以外も)の情報(誰が何歳の時どこのがんにかかったか)をお聞かせいただきます。
*ご相談内容を簡単にお伝えください。
例)母が乳がんなので自分も乳がんになるか心配
例)乳がん・卵巣がんの遺伝子検査について知りたい
*家系の方の情報
(両親、兄弟姉妹、祖父、祖母、叔父、叔母、子供、孫、いとこ)のがん
(乳がんや卵巣がん以外も)
*診断された方の情報
(できれば診断年齢や、子宮がんの場合、頸がんか体がんのどちらなのか)をお伝えください。
患者様用遺伝子検査 結果が出るまで3週間程度かかります。 |
血縁者様用遺伝子検査 結果が出るまで1週間程度かかります。
カウンセリング | 費 用 | |
---|---|---|
1回 50分 | 当院患者様 | 5,000円(税別) |
1回 50分 | 院外患者様(初診) | 10,000円(税別) |
1回 50分 | 院外患者様(再診) | 5,000円(税別) |
※遺伝相談は一部の例外を除き保険が適用されず、その場合は全額自己負担となります。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
第3土曜 9:00~14:30 |
||||||
第4水曜 9:00~14:30 |
||||||
※2021年4月から第4水曜が第2木曜に変更となります。 |